京友禅のアロハで挑戦

「たまねぎ工房」でIT活用 川添貴之さん

川添貴之さん

 消費者の和装離れで伝統工芸の京友禅が危機に陥っている。分業で京友禅を支えてきた職人も1人去り2人去り、くしの歯がこぼれるようにいなくなっている。分業態勢が崩壊すると友禅そのものが生産できなくなる。和装だけではもうだめだ、とアロハに活路を求め、インターネットで友禅の新規需要を開拓し始めた人がいる。自宅をオフィスにして働く脱サラ組の元営業マン、たまねぎ工房(http://www.tamanegi.com)の川添貴之さんだ。

 なぜアロハに活路を?「昔ハワイに移住した日本人が食うや食わずの中、日本から持っていった着物で作業着を作った。それがアロハの起源。日本で作ったらよりほんものに近いアロハができるんじゃないか、それを再現したい、と思ったのが動機です」。

 この不況期、高価になりすぎた和装は売れない。「いま売れているのは、浴衣、甚平くらい。成長期だったら友禅でアロハを、という提案は受け入れてもらえなかった」

 京都では伝統工芸をデジタル化して残す運動も始まった。「デザインは参考になるし、私自身も手書き友禅の技を勉強しているところ。でも図案などはデジタル化して残せても職人の技は残せない」

 分業された工程それぞれの職人さんをネットでつなぎ、完成するとネットで販売する。「販売には自信があったが、作る方は素人。ネットでいろんな職人さんを紹介してもらったり、今年の流行色なんかも教えてもらったりしている。最初はわけありの反物から作っていたので柄合わせが難しかったが、いまでは柄が連続したアロハも作れる」

 京都には異色のベンチャー企業が多いが。「京セラも任天堂も伝統産業の技を新しい型に変え、市場を京都以外に求めて成功した。彼らが成功した環境条件を、いまはネットとパソコンで実現できるんです」

 (聞き手・原淳二郎)

よみがえる和柄アロハ

(06/30)